私と、浅葱がした約束の事も正直に話した。




「私が、人生を全うしてその後は、浅葱のところに行くと。浅葱は、ずっと待っていると言ってくれたの」



浅日さんの事も、とてもとても大切だったから。
死んだあともずっと一緒よと、本当に思い出すまでは思っていたのに。

彼にずっとついていくと本気で思っていたのよ。




「僕は、十分君に側にいてもらったよ。だから、この一生分で十分だ。君は、その約束を果たしなさい」




ああ、なんて優しい人なのだと。
私の選択は間違ってなどいなかった。



彼を選んだことも、彼と共に来た道も。




正直に今、話したことも。
何一つ間違いなどなかったのだと。




「僕も父に一目会いたいから、心残りを作ることにするよ」

「え?」

「僕が先に逝ったら、君が逝くときに迎えに行きたい。うん、それが僕の心残りだ」




そういって、彼は昔と変わらない無邪気な笑顔を浮かべた。