黄泉の本屋さん



私は無事に退院を迎え、お母さんはその間にパートの仕事を見つけてきた。
職務経験のないお母さんを迎えてくれる心の広い職場があったことに、私は驚いたけどお母さんはそこで頑張って働いている。



お父さんとお母さんは、とりあえず別れるという最悪のケースからは免れた。
再構築を目指してお互いに歩み寄りの最中だ。


お母さんが外に働きに出るようになったことで、お母さんのお父さんへの依存は解消された。

だから、ケンカはすっかりなくなって、夫婦の会話も少しずつ増えてきている。



私も、できるだけお父さんやお母さんと会話を大切にしている。




夢みたいな生活。
こんな家族になれるなんて思っても見なかった。


諦めていた、理想の家族像。




手にしてみると、それは些細な幸せなのかもしれない。
それでも、私にとってはとても重要な大きな幸せに変わりはなかった。





カンカンカン



目の前の踏切が音を立てバーが下がっていく。
それを見上げながら踏切の前まで歩いた。