「ううん。お母さんがお礼を言わなくちゃ。奏音が気づかせてくれたんだから。ごめんね、遅くなってしまって」
「ううん・・・」
私が事故にあったことで、お母さんが考えることができたのなら。
事故にあったのだって、無駄じゃなかったと思える。
ひと月。
私にとっては、大切な必要な時間だったんだね。
「そうと決まったら、お母さん、仕事探さなくちゃ」
「ええ?お母さんが?」
「そうよ。お父さんと別れなくてよくなっても、仕事はしようと思うの」
「どうして?」
「お母さんも、自分で生きてるって実感したいから」
お母さんの瞳が、輝いている。
私は嬉しくて笑った。
お母さんの支えになろう。
変ろうとしてくれているお母さんのために。
私も、できるだけの事をしよう。


