「拒絶、された・・・」
「暁、どうしよう」
「どうしようって。どうしようもできない。拒絶されたら、俺たちには手は出せない。契約が結べないんだから」
浅葱と暁は戸惑ったようにコソコソと話をしている。
私にはわからない話を。
いったい、なんの話なの。
契約とか、拒絶とか。
「おそらく、何らかの形で記憶を取り戻すのを拒んでるんだ。それをどうにかして、契約を結べるようにならないと。この娘は、帰ることはできない」
「うーん。困ったね。それじゃあ、どうしようか」
「ったく、面倒な奴を引きこんでくれたな!」
「え、僕のせいなのかい?」
「浅葱がトロイからだ!」
なんだか言い合いを始める。
取り残された私は、なんだか居心地が悪い。
だって、私のせいでよくわからないけど言い合いしているんでしょう?
「あ、あのー」
「あ、ご、ごめんね」
ようやく私の存在を思い出してくれた浅葱が慌てて私を見た。