どうか。
どうか無事でいて。


私のせいで、浅葱を傷付けて、奈落になんて落とさせない。



絶対に、浅葱を助ける。




「暁、私どうしたらいい?浅葱を助けるためなら、なんだってする!」

「一番手っ取り早いのは、前のように、浅葱の記憶と共に封じ込めること。ですが・・・。それでは、根本的な解決にはなりません」

「悪霊が、封じられるわけじゃない。浅葱の記憶もまた失われる・・・」



それは、悲しい。
せっかく戻った記憶。
それが、辛いものでも、悲しいものでも。

それは、浅葱だけのもの。




「できれば、悪霊を除霊したいんです」

「うん。私も、それがいいと思う。どうしたらいい?」

「浅葱の身体の中から、悪霊を追い出す。それが出来れば、除霊は簡単です」





でも、それができなかったから前は浅葱の記憶を封じて浅葱を護った。
今回、それがうまくいく保証は、ないんだ。