「奈落に引きこまれそうになった浅葱の魂を、私が拾い上げたんです。そして、浅葱の記憶をその悪霊と共に封じ。浅葱を神の代理としてここに・・・」

「そ、そんな・・・」

「浅葱の魂に乗り移った悪霊は、浅葱と同化してしまっていて、こうするしかなかったんです。悪霊を除霊すると、浅葱まで消え去ってしまう。だから、浅葱の記憶と共に、本に封じることで、浅葱の事を護っていたんです」




聞かされた真実。
知らなかった。


それじゃあ私、浅葱を助けるどころか・・・。



「私、浅葱の事・・・傷つけてしまったかもしれない・・・」

「あなたが浅葱のためにと考えてしたことはわかっています。私も、変に気にさせるよりはと、説明していなかったので」

「浅葱は、浅葱はどうなったの!?」




暁の姿がこうして戻ったってことは、浅葱の神の力が全て暁に戻ったってこと。
そうなったら、浅葱は・・・。


浅葱には、悪霊が憑りついているって・・・。




「その悪霊は、地縛霊です。おそらく、その場所からしか、奈落へ落とすことはできない。きっと、浅葱をそこに連れて行きそこから、目的を果たすつもりです」

「それじゃあ、その場所に!」

「ええ。急ぎましょう」