「あ―!浅葱(あさぎ)!」
尋ねようとした瞬間、突然人の声がして止まった。
他にも人がいたんだ。
「またこんなに散らかして!もう!大事な本なんだから!」
そう怒りながら現れたのは、見た目10歳くらいの男の子。
この人の、子?
それにしては、とても偉そうだわ。
その子も着物のようなものを着ているのだけど、彼とは違う狩衣のような着物を着ていた。
「ああ、暁(あかつき)。ごめん、ごめん」
「さっさと片付け・・・、ってあれ?お客さんですか?」
ようやく私の存在に気づいたのか、暁と呼ばれたその子は私を見た。
浅葱と呼ばれた彼は、暁に言われたまま本を拾い集めていく。
主従関係は、暁の方が上なのかしら。
「あれ?あなたは、ここに来るべき人ではないですね」
「ああ、そうなんだよ。暁。迷子かな?」
暁にまで、そんなことを言われた私は首をかしげるしかできない。


