黄泉の本屋さん




「ああー、またやってしまった。暁(あかつき)に怒られてしまう」



むくっと起き上り、背中に積み重ねられた本をぼとぼとと落とした男の人は困ったように眉を顰めた。




「あ、あの」

「ああ、はい」




丸っきり無視された気分で私が呼びかけると、すっかり忘れていたように返事をされた。
なんなの、この人は!




「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」

「え?」




恭しくそう言われ笑顔を向けられた。
その笑顔に、思わず息をのんだ。




「あ、え、と。探し物というか・・・ここがどこなのか教えてほしくて」

「ここ、ですか?」




訝しげな視線を向けられる。
なんでそんな視線を向けられなければいけないの?