奥から出てきた人は、現代では珍しく、着物姿の男の人。
色素の薄い少し長めのぼさぼさの髪。
華奢な身体で、すらっと長い手には、なにやら本をたくさん抱えていた。
年上に見えるその人。
長めの髪から覗く顔は、そこいらの人より断然綺麗で美青年だ。
うわ、あんな綺麗な人、初めて見た。
思わず見惚れてしまった私に、その人は気づいたようで目を丸くした。
しかし、次の瞬間なにもない場所で盛大に躓き手に抱えた本と共に崩れ落ちていった。
「うわああああ!」
そんな、その顔に似合わない雄叫びをあげながら。
ええ――――?
「あ、あの・・・」
背中に本を積み重ねたままピクリと動かないその人におずおずと声をかける。
なにをやってるんだろう、この人は。
見かけによらず、おっちょこちょいなのか。


