「無事、プレゼントは手元に戻ったけど、これをどうするつもりですか」



一度、黄泉屋書店に戻った私たち。
無事にプレゼントは取り戻すことに成功した。

でも、この後の行動をまったく決め切れておらず、暁の厳しい声を飛ばされているのだ。



「これを、どうにか彼に渡せたらいいんだけど」

「でも、奏音さんが渡したとして、それがゆめかさんからのだと証明できるでしょうか。彼とは面識のない奏音さんの言葉を信じてもらえるんでしょうか」



確かにそうなんだ。
初対面の人に、突然生前にゆめかさんが彼に渡したいと思っていたものだと言われたところで、信じてもらえないだろう。
人を信じられる、心の余裕もないはずだ。

だからこそ、ゆめかさんは気に病んでいて、成仏できずにいる。


きっと、家族だって悲しんでいることを知っている。
その上で、彼の事を解決したいと望んだんだ。



それ程、ゆめかさんにとって、彼が大切で。
きっと彼にとってもゆめかさんがそうで。


だからこそ、立ち直れずにいる。




「・・・手紙、書けないでしょうか」

「え?」

「そんなこと・・・、きっと、許されないことかもしれません。死んでしまった私の言葉を届けることは、理に反するのかも」