「お願い、浅葱!何か方法を考えよう!このまま成仏なんて、かわいそうすぎるよ!」

「奏音さん・・・」

「なにか、少しでも、彼の気持ちを変えられる方法がきっとあるよ。一緒に、考えよう!私も、協力するから!」



半分生きている私なら、前みたいに彼に接触することだってできる。
そうすれば、少しは役に立てるかもしれない。

でも、今回は、話を聞くだけじゃいけない。
少しでも立ち直らせなくちゃいけない。


だからこそ、慎重にできることを考えなきゃ。




「・・・わかりました。一度、この契約は保留にさせてもらえますか?」

「は、はい」

「最善の道を、一緒に探していきましょう」

「あ、ありがとうございます。ありがとうございます!」




ゆめかさんはそう言って頭を下げる。
きっと、ゆめかさんだって悲しいはず。
大好きな彼と結婚を夢見て。


ケンカしたまま会えなくなっちゃうなんて。
悲しくて、悔しくて、納得なんてできるわけなくて。

それでも。
大好きな人が悲しんでいる姿を見ていたくなくて。
救いたくて、自分が成仏することで私たちに助けてほしくてここに来たんだ。


大好きだから。