「そのまま・・・?」
「はい。彼は、そのことで気に病んでしまって、立ち直れないでいるんです」
「彼を立ち直らせる、それが君の心残り?」
浅葱の問いに、ゆめかさんは強く頷いた。
自分の事ではなく、彼の事を。
ゆめかさんだって辛くて悲しいはずなのに。
亡くなってしまったのは、ゆめかさん自身なのに。
「申し訳ないけど、それはできない」
「浅葱!?」
「僕たちは、君を救うためにいる。生きている人間を救うのは、生きている人間だ」
「そんな!でも、それがゆめかさんの心残りなのに!」
浅葱に詰め寄るけど、浅葱は苦しそうに眉を寄せるだけ。
できないってことなの?
「僕たちは、幽霊の心を軽くする手伝いはできても、生きている人の心を軽くすることはできない」
「そんな・・・」
ここの決まりとか、できる事とかできないこととか。
私にはよくわからない。
それでも、できないって言われて、はいそうですかって簡単に納得もできない。