チャイム、なんてものは見当たらなくて。
少し悩んだ結果、扉をあけることにした。
本屋って看板があるくらいだから、普通のお店みたいに入っていいってことだろう。
そう判断して扉を開いていく。
カラカラカラと音を立て扉を開くと、広く土間のようなスペースが広がっていた。
その先に一段高い木張りの室内が広がっている。
木張りの室内の土間側には、小さな木の机が置いてある。
室内は閑散としていて、本なんて一冊も置いてはいない。
書店、というのはウソだったんだろうか。
「あ、あのー」
そんなことはどうでもいい。
私は別に本を買いに来たわけではないのだから。
人がいさえすればいいのだ。
掃除は行き届いている様で綺麗。
ということは、きっとここには人が住んでいるという事。
その人に、ここはどこかと聞いてみよう。
そして帰る道を教えてもらって。
少しだけお金を貸してもらおう。


