蒼空もますます顔色を曇らせた。
まずいよー…喧嘩になんてなんないよね?
「俺はただお前らがなんの話してたか気になっただけだっつーの」
そう言って不機嫌そうに自分の席へ戻って行った。
私はホッと胸を撫で下ろした。
「どうしたの!?渉らしくない!!」
翠が渉君にそう言うと、渉君は笑った。
「ごめんねー?気にしないでっ。彩ちゃんが困ってるようにみえたから言っただけだから」
よかった。いつもの渉君だ…
渉君は私を助けてくれたのか…
「ありがとう…大丈夫だよ」
笑うと渉君も笑い返してくれた。
そういえば渉君にもいっぱいお世話になったよなぁ…
バイトも紹介してくれたり、相談にも乗ってくれたし。
泣き顔も…見せちゃったっけ。
お礼がしたいけど、できること思いつかないし…
なにか渉君にプレゼント買おうかな…