翌朝。
 歩「う~ん・・・」
 いつもならスッキリ起きられるのに、何故か全身がかなり怠い。 弱ったな~、今日は一番組が昼の巡察当番なのに~。 しょうがない、土方さんと総司に事情を説明して、養生するとしよう。 そう判断した私は、寝間着の上から普段用の羽織を着て副長室へ向かった。
 歩「土方さん・・・渡辺です」
 土「おぅ、入れ」
 歩「・・・失礼しま~す」
 襖を開けて、副長室へ足を踏み入れると土方さんに目的を伝える。
 歩「体調が優れないので、仕事を休ませて下さい~・・・」
 その言葉を聞いた土方さんは、私の顔を見た途端、何故か苦笑した。
 土「おいおい、大丈夫か?ほら熱を計ってやるから、こっちに来い」
 歩「はい・・・」
ふらつく足取りでなんとか土方さんの方へたどり着くと、大きな手が私の額に触れた。
 土「結構、高いじゃねぇか!総司にゃあ、俺から言っといてやるから、今日は養生して寝てろ」
 どうやら、風邪を引いてしまったようで、養生するようにと怒鳴られてしまった。
 歩「は~い・・・・・・」
返事をしようにも、喉が痛くて余り声が出ない。 一先ず、部屋へ戻るか。 熱のせいできちんと働いてくれない思考回路で、判断した私が立ち上がり襖へと歩き出そうとした時。
 歩「・・・・・・?!」
 突然、視界が歪んだと同時に足から力が抜け、倒れ込んだ。
 土「・・・おい渡辺?!しっかりしろ!」
土方さんの呼び掛けに応えなくては・・・と思いつつも、私の意識は暗闇へと落ちていった・・・。