歩「式!自分の主を守れ!!!」
 私の言霊を合図に、二人の式・暁と北斗が青白い光を放ちながら、まるで守護獣の様に二人へ寄り添う。
 芹「土方に沖田、それに渡辺か・・・」
 土「芹沢さん・・・命を貰うぜ」
 土方さんのその言葉を皮切りに、いざ斬りかかろうとした、その時。 余りに場違いな声が響いた。
 梅「芹沢せんせ。なんか・・・えらい騒がしいんやけど、どないしたん?」
おっと、お梅さんの事まで頭が回らなかった~!
 芹「お梅・・・どうやら儂にも、来るべきモノが来たようじゃ」
 芹沢が優しくお梅さんに話しかけると、彼女の目にみるみる涙が浮かぶ。
 梅「イヤや・・・イヤや!ウチを残して逝かんといて!」
取り乱し始めたお梅さんを、芹沢が落ち着かせる。
 芹「ならば・・・・・・共に逝くか?」
 梅「芹沢先生?」
 芹「お前とならば・・・あの世でも、幸せに暮らしていける・・・そんな気がするのじゃ」
 歩「芹沢局長・・・お梅殿・・・」
 胸を締め付けられる思いで、私達は二人を見守る。
 梅「へい・・・!先生とやったら・・・死んでも、悔いはあらしまへん!せやから・・・お願いや、ウチも一緒に死なせてぇや!」
 歩「承知した。副長・沖田組長、この場は拙者に任せ、離れの援護へ行って下され」
こんな事をするのは、私だけで十分。
 土「いや・・・俺はここで、見届ける。総司、お前が行け」
 総「分かりました。・・・行くよ、北斗!」
 北『御意』
 総司と北斗が離れへ向かったのを確認し、私は芹沢とお梅さんの方へ向き直る。
 歩「・・・何か、言い残したい事はございますか?」
『如月』を構えながら、二人に問いかける。