歩「平助」
息を切らして走ってきたのは、平助だった。どうやら、何か重大事項か内密の命令だろう。
 原「おいおい。そんなに慌てて、どうしたんだよ?」
 左之さんが問い掛けると、平助はとんでもないことを口走った。
 平「緊急招集!土方さんが、大至急に局長室へ来いって!!」
 総「土方さんが?」
 歩「何か、あったか。分かった、行こう」




 局長室に着くと、既に幹部が全員集合していた。
 歩「土方さん・・・お呼びですか?」
空いている場所に正座しながら、腰に差した『桜花龍』を外して脇に置く。
 土「会津公から今しがた、正式な御沙汰があった。芹沢一派を殲滅せよ・・・とな」
 わ~、もうそんな時期かい。
 歩「くるべきものが、来ましたか」
 一「うむ」
 土「決行は明晩。“新見の追悼会”と称して酒宴を開いて芹沢一派を泥酔させ、寝静まったのを見計らい侵入する。接待には俺も回る。討手は・・・俺と山南さん・総司・原田」
 平「俺と新八っあん・一君・歩は?」
 平助が質問する。
 土「新八・斎藤は源さんと酒宴の後、屯所に待機。渡辺と平助は芹沢の接待、その後で俺達と討手に回れ」
 歩・平「はい(おう)」
 土「但し!渡辺は接待する際に芸者に化けろ」
・・・・・・・・・えっ?芸者に化けろ?
 歩「またですか?!」
 近「大丈夫だ、渡辺君。あれ程の美女になれるのだから、心配無用だ!なぁトシ」
 土「あぁ、その辺はボロが出ねぇようにやるから、安心しろ」
えーーー・・・しょうがない、腹を括るか。