歩「羽織と鉢金は分かるけど、何故に鎧も?」
まぁ後々で必要になるだろうから、有難いと言えば有難いけど。悶々と考え込んでいるうちに、正午を知らせる鐘が鳴った。
 歩「おっと、考える余裕は無い!巡察に行く支度しないと・・・」
 急いで普段着の着物に着替えて真新しい隊服に袖を通し、『桜花龍』と『東雲』を腰に差し、薙刀を持って表門に向かった。


 総「おっ歩夢君、こっちだよー!」
 表門に着くと、すでに殆どの隊士が集まっていた。
 歩「すいません、遅れてしまって・・・」
 原「いや、時間通りだぜ?」
いつの間にいたのか、隊服を着た左之さんが自慢の槍を持って、私と総司の方に歩いて来た。
 歩「今日は一番組と左之さんの十番組が、巡察当番だったのですね」
 総「そうだよ。じゃあ、刻限だから行こうか?歩夢君の位地は僕の左之さんの後ろね」
 歩「分かりました」
 原「出発ー!」
 左之さんの号令で、私達は出陣した。京都の町自体は中学の修学旅行で一度行ってるけど、これからはこの生活が日常になるから、しっかり覚えないと。いかんせん、雑然にしか覚えなかったからなぁ~。
 ・・・でも、何だろ?この胸騒ぎ。イヤな予感がする。こういう時の私の勘って結構な割合で当たるんだよね~。