土「これにて会議は以上だ、解散」
 ちょっとタンマ。誰かいますよ、床下と天井裏に。天井裏にいる人は見当は付いてるから保留するとして、床下のは違うな。気配を上手く消してるからか他の幹部は気づいていないけど、私は誤魔化せないぞ♪せめて必殺仕○人くらいじゃないと。
 歩「沖田さん、沖田さん」
 沖「どうしたの?」
 歩「小太刀をお借りしたいのですが」
 沖「別に構わないよ、はい」
 沖田さんから小太刀を借り受け、すらりと鞘から抜き、近藤さんの真ん前の床下にいる殺気目掛けて畳ごと心臓を一突き。
 ドスッ! 殺「ぎゃあぁあーっ!!」
 貫いた途端に響き渡る断末魔と、畳に滲む血。
 全「なっ?!」
 歩「やっぱり殺し屋か。腕は立っていた様子だから、相当の手練れだね」
刀身にべったりと付いた血を、胴着の懐に入れているタオルで拭き取り鞘に収めてから、沖田さんに返す。
 歩「これ程の手練れを使うとなると、そこそこ身分は上だろうから、犯人は尊皇攘夷派の重鎮と見ていいハズ」
畳を外して殺し屋の遺体を、引き上げる。
 歩「そこにいる事は分かっていますよ。諸士取調役兼監察方の山崎さん?」
 呼ぶと、天井の板が1枚外れて忍装束を着た人物が下りて来た。
 崎「気づいてたかいな。見事やわ・・・・・・それに初めて人を斬った割には、随分と肝が据わってはるし」
 歩「気配には敏感なもので。それよりも、この殺し屋の雇い主を探して下さい」
 崎「了解や。局長を手に掛けようとした奴等やさかい、必ず見付けてお縄に付かせちゃる」
 そう言って山崎さんは出て来た天井から再び出て行った。
 歩「では、お先に失礼します」
 土「おう・・・。お前の部屋は、あの部屋を使え。他の幹部と同様、個室にしてやるよ」
よっしゃ♪
 歩「Thank you so much , Mr. Hijikata ♪」
 おっと、思わず英語でお礼しちゃった。いっか、逃げるが勝ち!
 土「メリケン語?!あ、待てコラッ!」
土方さんがそんな言葉を言ったような気がしたけど、私は速やかに自分の部屋へずらかった。