沖「ここが、広間だよ」
 そんな他愛ない話をしているうちに、沖田さんが言っていた広間に到着したらしい。
 沖「朝食の前に君を、他の幹部に紹介するから。僕の後ろから入って」
そう言われて、変に緊張する。例えるなら、別の学校に転校して担任の先生からの指示を待つ時の緊張感。あれに似てる。
 歩・沖「おはようございます」
挨拶しながら広間に入ると、近藤さん・山南さん・土方さん・斎藤さん・藤堂さんの他に、大男が2名と好好爺風情の男性が1名。なんだろう、周りの人達が若いからか随分、ほっこりするのですが。
 ?1 「遅ぇぞ総司!この腹の高鳴り、どうしてくれる?!」
 どうやら私達が最後だったらしい。全員が揃っている様子だ。
 沖「ごめん。この子の迎えに行っていたんですよ、出ておいで」
 沖田さんに言われ、後ろからヒョコと顔を出す。
 ?1「総司、誰だソイツ?」
大男の1人が私を指差しながら、沖田さんに問う。
 ?2「もしかして昨日、平助が言ってた“とんでもなく強ぇ奴”ってのは、コイツか?」
と言ったのは、もう1人の大男。多分、この人が一番長身であろう。着物を卑猥でない範囲で着崩れさせて着こなしている。中々、器用な人だ。
 ?3「総司と藤堂君に勝つなんて、大した腕前じゃないか。あんた、いつまでもそこにいないで、こちらに来なさい」
こう言ってのけたのは、好好爺風情の男性である。もしかして、この人が源さん?