チュンチュン、チチチ・・・・・・
 歩「・・・・・・・ん」
 翌朝、賑やかな小鳥の囀りで目が覚めた。目を開けると、見慣れない木目調の天井と純和風の調度品が置かれた部屋。昨日、どうしたんだっけ?本調子ではない思考回路をフル稼働して、何があったのかを必死に思い出す。
 歩「えっと・・・、思い出した」
 すると、誰かが近づいてくる足音が聞こえ、部屋の障子がスッと開いてそこから沖田さんが入ってきた。
 沖「おはよう、歩ちゃん。良かった、気が付いて。僕に勝った後いきなり倒れたからさ」
 そういえば、沖田さんに勝った後の記憶がないし、胴着を着たまんま布団で寝ていたという事は1つの可能性が浮かんだ。
 歩「私をこの部屋まで運んだのは、もしや・・・」
 沖「僕と一君と土方さんだよ。起きられる?そろそろ朝食の時間なんだ。その格好で構わないから」
 歩「分かりました」
そして、私と沖田さんは朝食を食べに屯所の廊下を歩いていた。
 歩「壬生浪士組の皆さんは普段、どこで食べているのですか?」
歩きながら、色々と質問する。
 沖「この先にある広間だよ。僕達幹部は普段、そこで食べるんだ。平隊士は別の場所。君は、僕達幹部と一緒だよ」
 ふと思ったんだけど、幹部の人達ってどんな感じ?少し不安になる。
 沖「心配しないで大丈夫。顔は厳ついけど、根は好い人ばっかりだから」
あっ、もしかして顔に出てた?