どれだけそうしていたのだろう。
気づけば雨が降っていた。


ー家に…帰ろう。


もう動くことのない彼女を横抱きにし、家に向かって彼は歩きだした。


ドォンと前より近くで音がなる。戦場が近づいていた。


彼はそんな音も聞こえないかのようにただただ家を目指して歩き続ける。


家に着くと中は荒らされていた。スクトゥムの兵が人を探して荒らしたようだ。


ゆっくりと彼女を床に横たえ剣を抜く。


「これ以上この家を荒らさせない」