「大丈夫だよ! 大事にするから」




『大事にするから』




言われたの…初めてだよ。




こんなに、うれしいものなんだって…知らなかった…。




私…先生と…智希と…ずっと一緒にいたい。




それから、先生の腕まくらの中で、うとうとしかけた時…激しい足音が聞こえた。




チャイムも鳴らさないで入ってくるのは…1人しかいない…




部屋のドアが開いた。




3人とも…一瞬、固まっていた。




「梨華…」




梨華は、目をパチクリさせている…




そりゃそうだよね…担任が親友と一緒にいるんだから…




「おー、田上、おはよう」




「おはよう…じゃなくて!! どういう事!? 何で瀬名っちがここにいるの?」




1階のリビングに移動して、梨華に全てを話した。




「水谷先輩が、そんな事するなんて信じられない…」




「まぁ…俺だって信じらんねぇよ。あいつの家庭も複雑でさ…最近、父親が再婚したらしいんだけど、義理の母親とうまく行ってないみたいでさ…それで父親ともギクシャクしてたらしい。こんな事件、起こしても誰も身元引受に行かなかったみたいだしな…」




あんなに怖い思いしたのに…水谷先輩がかわいそうに思えてきた。