マジ…かよ…。




そんな潤んだ瞳で俺を見ないでくれ…




抱きしめたくなるだろ…。




あれは1年前の入学式。




新入生代表の挨拶を読んだ君に一目惚れしたんだ…。




周りがざわつく程にきれいな顔立ちをしていた。




まさか自分がついこの前まで中学生だった君に一目惚れするなんて思いもしなかった…。




それぐらい大人びていた。




新入生代表になるぐらいだから頭もいいんだろう。




他の学校は知らないがうちの学校は、受験の成績がトップだった子が新入生代表に選ばれるから。




「新入生代表、上原 彩音」




読み終え、自分の席に戻る上原をずっと目で追っていた…。




担任か、もしくは地理か歴史を受け持てたらいいな…。




そんな願いも虚しく一切関わる事ができなかった。




廊下で会っても挨拶程度に過ぎなかった。




でも今年は違う。




担任になれたんだ…。




名簿を見て上原の名前を見つけた時は思わず…




『よし!!!』




って叫んでた…。




周りの先生方は変な目で見てたけど…




そんなのはどうでもよかった。




これから1年、毎日上原に会えると思うだけで心が浮つく。




それなのに…田上の推薦でクラスの室長にまでなってくれた。




田上に感謝だな…。