午後の授業には出る事にした。




だって私の好きな歴史だから。




それに私の大好きな…




瀬名先生の授業だから。




教室に戻るとみんなが心配してくれた。




『うちらは彩音ちゃんの味方だから』




そう言ってくれた。




まだこのクラスになって数日なのに…




ほんと…このクラスでよかったって心から思える。




先生の授業は本当に分かりやすい。




たまに教科書から逸れる話しもおもしろい。




だから地理と歴史の授業だけはこの席から外を見ないと思う。




他の先生の授業はやたら真面目すぎてつまらない。




だから外を見る。授業より外見てた方がまだおもしろい。




「昔は今みたいに自由に恋愛できなかったって本当?」




そんな質問が飛んだ。




「あぁそうだよ。一昔前は人間に位が付いてたから。身分が下の者が上の者と一緒になるのは絶対に許されなかった」




「じゃあ、別れるしかなかったの?」




「それか…心中か…だな。会いたい時に会えない。抱きしめる事もできない。話す事さえもできなかった時代だ。昔は今みたいに平等なんて言葉はなかったからな」




みんな言葉を呑んで聞いていた。