起きたのは夕方だった。




「ダルい…」




熱を計ると、39度8分もあった。




濡れたままの制服着て、寝てれば誰だって風邪ひくよ。




こういう時、1人暮らしって不便だなって思ってしまう。




あまりのダルさに、何も出来ない。




それに…こんなに熱があるのに体がガタガタ震えてるのは、まだ熱が上がるっていう事。




母親が昔、看護士やってたから、そういう知識を教えてもらった事がある。




迷わず、暖房を強にして布団に入った。




とりあえず暑くして、熱を上げる。上がりきったら後は下がるだけだから、氷枕はそれからだ。




氷枕とか面倒だな…作るの…




とりあえず…寝てみよう。




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「智希…」




「何?」




えっ…???幻聴???




熱が高いと、いろいろ見えたり聞いたりするのかな…?




でも…オデコと頭が冷たくて気持ちいい…




目を開けると…




智希が心配そうな顔して座っていた。




「大丈夫か?」




「智希…何で?」




「心配で田上と2人で来てみたら、お前…すっげぇ熱でうなされてるし…ほっとけるわけないだろ。さっきまで田上もいたんだけど、もう晩いから帰した」




智希にも梨華にも迷惑ばっかりかけて…私、何やってるんだろ…




「智希…あのね…」




言わなきゃ…ネックレスの事…