「いつでも来ていいから」




そう言って渡してくれた合い鍵…




合い鍵なんてもらった事がないから、飛び上がる程うれしかった。




「うちの実家、すぐ近くだから、たまに親がご飯食べに来たりするけど普通にいてくれていいから」




えっ?…それって…




私と付き合ってるの…知られてもいいって事?




認めてもらえるのかな…?




「でも…大丈夫なの?バレても」




「大丈夫だよ。親父は分かんないけど、母さんは真剣な事には何も言わない人だから」




早過ぎかもしれないけど…智希との将来に、一歩近付いたって思ってもいい?




今日のお昼ご飯は、グラタンとサンドイッチを作る事にした。




もちろん、グラタンは本格的にホワイトソースから作る。




何度も作ってるから大丈夫だとは思うんだけど…




智希が後ろから抱きついて離れてくれない。




こういうの…久しぶりだから、すごくうれしいんだけど…




そんなに、マジマジと見られてると手元が緊張しちゃう…




「ねぇ、智希…テレビでも見てて?」




「嫌だ。離れたくない」




そう言って、離れようとしない。




結局、このまま作る事になった。




「俺、グラタンって出来上がってるのしか見た事ない」




智希は、ただ驚くばかり。




でも…ホワイトソースなんて、ほぼ目分量だからね。