先生は『頑張れ』って私のおでこにキスをした。




これで、頑張れそう。




そして、式典は始まった。




緊張はしないけど…何かやっぱ…嫌だな。




「生徒代表の言葉、2年3組、上原 彩音」




体育館がざわつき始めた。




予想はしてた…




あんな事件の後に、全校生徒の前に出るなんて…いいさらしものだよね…




だから…嫌だったんだよ…




でも…先生のお願いだから、頑張ろうと思ったんだ…




ステージに向かっている間も、あちこちから声が聞こえてくる。




ものすごく…聞こえてるんですけど…?




それを聞こえないフリの先生達。




誰も止めようとしない…




なんで…智希、いないの…?




智希だったら…止めてくれるよね?




わざと聞こえるように言ってるんだよ…ね?




『よく出てこれるよね』




『マジ、ムカつく』




『優の事、退学にしといて平然としてるなんて最低』




だんだん、怒りが込み上げてきた。




そして、ステージに上がった時に聞こえてきた言葉についに、私の勘忍袋の緒が切れた。




『担任が、瀬名っちじゃねぇ…』




それ…どういう意味!?




智希が…瀬名先生が担任だから、ダメだっていうの?




瀬名先生が…ダメな先生…?