季節は春。中学2年生になった私はクラス替えしたばかりの教室で緊張していた。
「そんな緊張することでもないでしょ笑」
2限目の休み時間。いつも一緒に行動してる舞実が少しからかい混じりに真っ直ぐでサラサラしているロングヘアーをとかしながら言った。
人気者の舞実だから言えることだ。

私の名前は池田 未来。
低い身長、黒よりの茶髪のくせ毛がコンプレックス。
少し人見知りで、でも気が強い器楽部所属のバイオリン担当。

因みに舞実もバイオリン担当で親友と呼べるくらい仲がいい。
舞実とは幼稚園からの幼なじみ。
可愛くて、人気者で、モテモテな舞実は私と大違いでなぜ私と友達になったのかわからない。

「そうそう、緊張しても意味無いし笑」

そう言ったのはもう一人の幼なじみの龍河。
男にしては童顔で身長も平均より下。
龍河はバカで舞実と同じくよく私のわがままを聞いてもらってた。

「うるさいなあ、したくてしてるわけじゃないんだから」

「隣の人、いい人だといいね」
舞実が励ましてくれた。

私の隣の席の人。
遠藤 飛翔。陸上部の長距離やってるらしく、今日も朝練があって疲れたのか机の上で爆睡中。
飛翔くんは朝からずっと寝っぱなしだからまだ喋っていない。
いったいどんな人なのだろう…

今日は午前中授業だから早く帰れた。
結局飛翔くんとは1回も喋らないままだった