…だから、キミを追いかけて

「イメージ違うな！昨日と」

「えっ…？」

「スッピンにストーレート！まるで別人や！」

その言葉にギョッとする。そう言えば、そうだった。

恥ずかしくなって、タオルで顔を隠した。
熱を帯びてるのが分かる。
絶対に今、顔が赤い…。


「ユウカちゃんカワイー！真っ赤や！」

星流の言葉を聞いて、海斗さんが茶化すな…と笑う。
無言のままでいる波留は、ジロリ…と私を睨んだ。


「……風呂入ってくる…」

立ち上がってこっちへ来る。
横をすり抜け、お風呂場へと向かった。


「ーー夕夏、麦茶」

澄良がテーブルにおいで…と手招きする。

「ありがと…」

顔を隠しながら近寄る。
スッピンになるのは嫌い。
肌の色が白過ぎて、目だけがやたらと目立つから。


「ーーそうしてると高校時代を思い出すね。夕夏はべっぴんさんでモテモテやったもんね」

澄良の言葉にビクッとする。

「そ…そんな事ないよ！…普通よ！普通！」

焦って否定する。
そんな事、今言わないで欲しい。

「普通なことなかったよー！男子は皆夕夏のこと狙ってたし、告られてるの私何回も見たよ！」

その度に断ってたけどね…と付け加える。
いい加減にして欲しい。
そんな過去…暴かないで……。


「き…澄良だってモテてたやん！いつも皆に頼られてさ…」
「あれは、皆が私のノートを見たがってただけよ！モテてたのと違う…」