店の外に出ると、波留は灯台に向かって歩き始めた。
さっきよりも速度を速め、小走りに近い状態で追いかける。
サンダルの足先が指に食い込む。
(痛っいなー)と思いながらも、足を進めた。
小高い丘に続く坂道の手前で波留が止まった。
有り難い。この足の状態でこの坂を駆け上がるとか、ちょっと無理だ……。
息を切らす私を振り返り、あっ…という顔をする。
こっちの事なんて考えもしてなかったのを、改めて気づいたみたいだった。
「…夕夏、あの灯台には月の女神が居るって話や」
謝りもせずに語り始める。
灯台に棲んでいるのは月から送られてきた女神で、灯台の明かりが消えない様、見守り続けているんだそうだ。
「実際の所、明かりを点検してんのは、海上保安庁なんやけどな…」
笑いながら話を続ける。
女神には恋人がいて、その人と会えるのは、満月の夜だけ。
その時だけは、カップルが一緒に上っても縁は切られない。
逆に結び付きが強くなり、幸せになれるんだ…と教えてくれた。
「へぇー、ロマンチックな話やね……」
(満月の夜の再会か…ステキだな……)
灯台を見上げる。
両親の出会いが満月の夜なら、2人は別れなかったんだろうか。
さっきよりも速度を速め、小走りに近い状態で追いかける。
サンダルの足先が指に食い込む。
(痛っいなー)と思いながらも、足を進めた。
小高い丘に続く坂道の手前で波留が止まった。
有り難い。この足の状態でこの坂を駆け上がるとか、ちょっと無理だ……。
息を切らす私を振り返り、あっ…という顔をする。
こっちの事なんて考えもしてなかったのを、改めて気づいたみたいだった。
「…夕夏、あの灯台には月の女神が居るって話や」
謝りもせずに語り始める。
灯台に棲んでいるのは月から送られてきた女神で、灯台の明かりが消えない様、見守り続けているんだそうだ。
「実際の所、明かりを点検してんのは、海上保安庁なんやけどな…」
笑いながら話を続ける。
女神には恋人がいて、その人と会えるのは、満月の夜だけ。
その時だけは、カップルが一緒に上っても縁は切られない。
逆に結び付きが強くなり、幸せになれるんだ…と教えてくれた。
「へぇー、ロマンチックな話やね……」
(満月の夜の再会か…ステキだな……)
灯台を見上げる。
両親の出会いが満月の夜なら、2人は別れなかったんだろうか。

