千里side


俺がもっと早く気づいていれば


もっと早く不審に思って、
もっと早く探し始めていれば、

祥太が怪我することなんてなかっただろうに。

後悔が押し寄せる。

また俺は、大切な人を失うのだろうか。


〈あの時〉のように。


「そうだ。莉音に聞かないといけないことがあったんだった。」

プルルルルル……出ない。メールでいいか。

さて、風呂入って寝よう!

意気込んで言ってみたがやはり気分は下がったままだった。