「随分奥まで来ちゃったけど…どこまで行くんですか。」

「う〜。ここ、暗いよ〜祥太。」

「ですね。戻りましょう。」

ザザッ

誰?囲まれた?

「あの、何か用ですか?」

「ニヤッちょっと、その子をもらいに、な。」

お嬢様を?人さらいか?

お嬢様を連れて逃げないと

「わたしません。」

「なんて言った?」

「わたさないと言ったんです。」

「チッ物分りの悪い奴だなぁ。

もらいに来たと言っただろ。

もういいやれ。」

囲っていた男たちがジリジリと近寄って来た。

子どもの力で複数の大人にかなうはずもなく……