「千里さん」 凛とした声が響いた。 いや、実際は響いてはいなかっただろう しかし、答えの出ない自問で埋め尽くされた思考から抜け出すには十分だった。 深呼吸してから 「……莉音」 落ち着いて言ったつもりだったのに、 少しだけ、声が震えていた。 「莉音、祥太と知り合いなのか?」 「いえ、駅の近くを通った時に薄暗い路地裏で怪我をして倒れていたので、」 彼っていうのは呼び方の問題だったのか 「それで、祥太はなんでこんな?」