嫌で、嫌で、嫌で

私は…

逃げた。

「莉音!」

幹部室を飛び出して、広場を抜けて、
倉庫の裏で声を抑えて泣いた

「…ヒック…うぅ、ヒック」


キラワレタ

千里さんに、嫌われた…

嫌われるに決まってる

暴走族なんて、
悪いイメージしか、ないんだから

まして、自分の婚約者がその“暴走族”だなんて、嫌に決まってる

嫌われるから、言いたくなかった。

嫌われるから、言えなかった。

知られてしまった

たとえ他の人が言ってしまったことでも

これは、私の失敗だ

カクゴを決めなきゃ

千里さんと、離れる覚悟を