「…全く」

ため息を吐き、竜矢がこっちを向いた

「莉音」

えっ?私?

「…ん?」

「神宮寺さん…莉音の婚約者さんに

話した。」

えっ…?

「な、んで…?なんで、なんで勝手に話しちゃったの!?」

突然声を荒げた私に、隣にいた千里さんが驚いてこっちを見た

みんなは苦しそうな、申し訳なさそうな
複雑な顔をしていた

っ、じゃあ、千里さんはっ……

「ああ、大体知ってる」

「っ…!」

知られたくなかった。
知らないで、欲しかった。

知られたら、嫌われる

嫌だ。嫌だ。嫌だ。

そんなの絶対、嫌だ!!