「南ちゃん、好きだよ」

 ………バカ。央介くんのバカ!!
 紛らわしい言い方をするなんて、酷いじゃないか!!

「俺、昼間の仕事に変わるから、これで夜は連絡がつくよ」

「……うん」

 まさか、そのために転職を? ……まさかね。

「今より収入も増えるし、デートで南ちゃんをいろんなとこに連れていってあげられる」

 淋しくないでしょ? なんて笑顔で言われたら、涙で濡れたぐちゃぐちゃの顔で頷くしかない。

「毎日メッセージしてくれる?」

「もちろん」

「電話も?」

「うん。ていうか、毎日会えばいいんじゃない? あ、なんなら一緒に住んじゃおうか。そうすれば淋しくないよ」

 冗談を言いつつ微笑む央介くんの唇に、精一杯背伸びをして私は自分から唇を重ねた。
 チュっとついばむだけの、一瞬のキスを。