淋しがりやの心が泣いた

「南ちゃん!!」

 とぼとぼと足取り重く歩いていると、後ろから声がかかる。
 その聞き慣れた声に自然と足が止まった。
 振り返る前に、ぶわっと一瞬で目に涙が溜まる。

 そっと振りむくと、白い息を吐き出しながら駆け寄ってくるスーツの男性の姿があった。
 ――― 央介くんだ。

 彼のスーツ姿なんて初めて見た。
 髪も黒く染まっている。央介くんではないほかの人みたい。

「良かった。会えた」

「……え?」

「今日、南ちゃんは店に来ると思ってたから」

 そう言ってニコリと笑った表情が、いつも見ていた央介くんの顔だった。
 それを目にした途端、ボロボロと瞳から涙がこぼれ落ちた。

 央介くんはクリスマスイヴ当日までに私には彼氏ができないと思っていただろうか。