淋しがりやの心が泣いた

「マスター、……央介くんは?  おつかい?」

 店内をぐるりと見回してみたけれど、央介くんの姿がどこにもなかった。
 またレモンでも買いに行かされてるのかもしれないと、単純にそう思ったのだけれど。

「あれ……南ちゃん、アイツから聞いてない?」

「…え?」

 私が首を傾げてポカンとすると、マスターの笑顔が困ったように少し引きつった。

「……央介、ここ辞めたんだ」

 その言葉を聞き、なにかで頭を殴打されたような衝撃を受けた。
 央介くんが……辞めた???

「や、辞めたって、いつですか?!」

「一昨日。ほんとはね、年末ギリギリまでいる予定だったんだけど早まって。なんか……研修に来いって言われたみたいでさ」