淋しがりやの心が泣いた

 クリスマスに、ほっこりとした隠れ家的なあのダイニングバーに行けば、絶対にマスターがおいしいチキン料理を出してくれる。シャンパンやケーキも。
 央介くんだって付きっ切りで私の相手をしてくれるだろう。

 クリスマスまでに彼氏ができなかった私が、いつものようにあのバーで愚痴る姿が目に浮かぶ。
 そんな想像がおかしくて、央介くんの背中でバレないように自虐的にクスリと笑った。

「南ちゃん、寒くない?」

「ちょっと寒い。でも、央介くんの背中があったかいから大丈夫」

「俺も背中があったかいよ。南ちゃんの体温で」

 酔っているとはいえ、私は央介くんの背中に密着している。
 恋人ではないのに、この距離感はおかしいのかもしれない。

 だけど私はこの温もりをいつも頼っていて。
 いつだって自分からは手放せないでいるのだ。