淋しがりやの心が泣いた

 指摘されればその通りだ。
 手あたり次第に女性を口説いているからこそ、女性が喜びそうなトレンドの店にも詳しかったと言える。
 そう考えるほうがつじつまが合う。
 まだ本格的に好きじゃなかったとはいえ、考えれば考えるほどダメージが今さら大きくなっていく。

「仕事ができて企業戦士って感じだったし、将来有望だった。それに、マメだったんだもん」

「……マメ?」

「もちろん毎日じゃないけど、たくさん連絡してくれた。私が淋しいって思わないように、相手をしてくれたんだよ」

 央介くんの髪からふわりと整髪剤の甘い香りが鼻腔をくすぐった。
 無造作に遊びを作ってセットされたその髪の一束を、私は不意に人差し指と親指でつまんでもてあそぶ。
 男性にしては勿体ないくらい、コシがあって艶やかな髪だ。
 きっと央介くんは将来もハゲないだろう。

「南ちゃんは淋しいがりやだもんね」

「うん。淋しいのはイヤ。まして付き合うことになるんなら、淋しいなんて絶対イヤ!」