「いいんですよ。このデモテープを結愛先輩にあげるのを決めたのは



俺たちじゃなく湊の独断ですからね。



それを頼まれて急いで俺は焼いてきただけですから」



先輩は気にせずもらって下さいと広夢くんだけでなく航平もそう言ってくれた。



そして祐くんは俺らの音楽を何回も聴いて知り尽くして下さいとフっと笑いながら言った。



「うん。家でいっぱい聴いてみる!」



これで毎日好きな時に聴けるんだ。



湊くんのおかげだ。今は集中してるから無理そうだけど今度お礼しよ。



「練習も良かったら週に何度か観に来てくれませんか?」



「ちょうど批評してくれる人が欲しいなって思ってたんです」



「容姿のファンに意見を求めても、今まで良いと思う!とか肯定的な言葉しか言わなかったしな」



そう言ってもらえるのは嬉しいけど、でも……



「あたし、ブルーウィンズの音楽いいなって思い始めたのが最近だから、それは他の人にそれは頼んだ方が……」



何にも彼らに言える自信がない。ましてやバンドを知らない人が批評をするなんて無理に決まってる。