「「「先輩、みーっけ!」」」



樹と一緒にごはんを食べてから数日後。



いつもの生物の移動教室の帰りに別棟から本棟に向かって美紀と歩いていると



後ろから3人の聞き覚えのある声が聞こえた。



だけどあたしはもちろん、知らないふり。



だってあの人たちあたしの名前知らないのに付きまとってバカにするんだもん!



「ねぇ、結愛見て!!



後ろにブルーウィンズの3人がいるよー!ほら広夢くんもいるー!」



キャー!といつもより何倍も高い声で言って行こう!行こう!とせがむ美紀。



美紀ちゃん、今あたしの名前呼んじゃったのは絶対まずかったよ。



だってあんなでっかい声で言っちゃったら……



さすがに後ろにいる3人にだって聞こえてるにきまってる。



「「「結愛せんぱーい!」」」



って名出しにするに決まってる。



……終わった。せっかく今まで名前がバレてないから



顔がバレてもどうにかなると思っていたのに。



顔と名前がバレたらもうあたしは終わりだ……