私はもともと和也には何かあると思っていたので、あまり深入りしないようにしていた。

だからその日和也が夜中に傷だらけで帰ってきても、もう中学生になったからとなにも言わずに手当をして寝た。

その日を境に和也と私はあまり話さなくなった。

二人とも無口だから普段からあまり会話という会話があった訳ではなかった。
でもそこにいるだけで落ち着いた。

でもその時の和也はまるで私と居るのを避けるような感じで、私が仕事に行く前に出ていき、私が眠ると帰ってきた。

そんな生活が続いたある日。

ぱたりと和也の気配を感じることがなくなった。
和也の部屋を覗いてみると、そこにはもう和也の荷物も…温もりも…なにも残っていなかった。