あの日から7年。
私は4年間あの日拾った男の子─和也─と一緒に暮らしていた。
和也はしばらくは得体の知れない私のことを警戒していたみたいだったが、数日たって私がなにもしないということが分かると少しずつだけど…本当に少しずつだったけど言葉を発するようになっていった。
喋ってみると和也は普通のどこにでもいるような男の子だった。
でも、あの日見た怪我の原因からなのか少し口数が少なく、相手の顔色をうかがうのが上手だった。
そんな和也と暮らしていたのだが、4年の月日がたったある日。
いつもなら学校が終わるとすぐに帰ってきて夕食を作ってくれていたのだが、その日は私がバイトから帰ると
部屋の電気はついておらず、和也が帰ったような痕跡もなかった。