愛し愛されて。


男の子が震える声で言う。

するとさっきまで少しは優しくしていた男達が突然、豹変する。

「あぁ?もってないだぁ?」
「昨日持って来いってゆったよなぁ?」

そう言い男の子を蹴り回す。

男の子はうめき声を上げながら、必死に身を小さくする。

しかし男達の蹴りは止まらない。
止まらないどころか、ますます強くなっていっている。

「おらぁ!今すぐ持ってこいやぁ!」


「なんなら…お前の妹ヤッちゃってもいーんだけどなぁ?」

1人の男がニヤニヤ笑いながら男の子にそう告げる。

その瞬間、男の子はハッと顔を上げると男の足にしがみつき

「お願いします!!妹だけは!!
どうか手を出さないでください!!!」

そう必死の顔で懇願する。

しかし、男はそれを見るといっそうニヤニヤ笑いながら男の子の髪の毛を掴み上に引き上げる。

「じゃあ金持ってこいよ」

そう言って今度は殴り始める。

殴り飛ばされた男の子は私の方に飛んでくる。

そこで私はピッと携帯の録画を止めると、ポケットに携帯をしまう。

『よいしょっと』

ゆっくりと立ち上がると私は殴り飛ばされた男の子が意識があるのを見ると、話しかける。

『ねぇ…ここは任せていいからさ。
動けるんだったらそこら辺にいる強そう な人をここに引っ張ってきて欲しいんだけど。
頼める?』

そう聞くと、弱くではあるがかすかに頷くのを見ると私は

『じゃあ任せた。』

というと、男達に向き直る。

男達は、今までの一部始終を撮られていたことに気付いていなかったのかしばらく呆然としていたが、私が向き直るとニヤニヤして立っている。

「よぉ。姉ちゃん。
そいつ逃がしてあんたが相手してくれんの?」

そう言って私の体をなめるように見るとさらに気持ち悪い笑みを浮かべる。

『うん…一応やらなきゃいけないから
めんどくさいけど、少しだけ相手してあげる』

そう言う私は俯いていた。
震えていたわけではない。きっといまだに転がってる男の子だけが、その私の顔を見ることができる。

その男の子が私の顔をみた瞬間、顔を今まで以上に真っ青にすると転げるように公園を出ていく。

さっきの男の子の反応を見て男達は首をかしげている。

しかし私が顔を上げて私がみた男達の顔はさっきの男の子と同じ顔だった。