理事長と書かれた机…いや。本来机と呼ぶべきものは、その上に寝ている男のおかげでベッドと呼ぶにふさわしい物となっていた。

しばらく迷って結局声をかけないと始まらないと悟り、

『あのー。すいません。
今日から2-2を担当します 春川 桜です』

しかしいくら待とうともその男はピクリとも動かなかった。

めんどくさくなった私は電話で言われたことをもう一度確認していく。

一応理事長室に来たし、理事長に会ったし、報告もしたし…

『一応全部やったよね?』

そう呟き自分で納得すると踵を返す。
そして理事長室の扉のノブを掴もうとした時、

『おいおい、適当すぎたろ…』

後ろから男らしい低い声が聞こえた。
後ろを振り返るとさっきまで寝ていたはずの理事長が、むくっと起き上がっていた。