生体兵器に足止めを食らったお陰で、アンドレイにはまんまと逃げられてしまった。

ALUの隊長であるウルゲイルは、無線で駐留軍本部に指示を仰ぐ。

「どうでした?隊長」

メイソンの問いかけに。

「任務は続行だ」

ウルゲイルは隊員達を見た。

「逃亡したアンドレイを追って、追跡任務に移行する」

「待て」

アレックスが口を挟んだ。

「たった4名でか?」

「どうした、新聞屋」

メイソンがニヤつきながらアレックスを見る。

「場数を踏んだ従軍記者様でも、追跡任務は怖くなったか?」

「少人数での無理な任務は危険だと言っているんだ」

「俺達の所属していたSEALは、元々通常2名から4名で行動する。少数精鋭が基本だ。何も危険な事はない。だが怖気づいたんなら…」

アレックスを嘲笑うメイソン。

「尻尾撒いて逃げ帰ったっていいんだぜ?」