保健室に着くと

花怜さんはもうベットに寝ていた。

「お姉ちゃん!!」

「市ノ瀬さんの妹さんね、大丈夫よ。

軽い貧血を起こしただけだから。」

保健室の矢野先生が真凛に優しく言った。

「先生、母を呼ぶので

それまでお姉ちゃん

寝ていてもいいですか?」

「いいわよ。」

「何でもなくてよかったな。」

俺が真凛の頭をポンと触ると

真凛はホッとした表情で俺を見上げた。

「うん……。」

「あれ??蒼太くんは?」

「ああ、仲原くんは

部活戻るって言ってたわよ。」

「そうですか…。」

「ふふふ、なんか若いっていいわね。」

「えっ?」

「仲原くん、それはもう焦ってて…

彼女を心配してたのよ。」

「彼女?」

「彼女じゃなかったの?

てっきり付き合ってるのかと思っちゃった。」

「付き合っては…ないと思います。」

真凛の顔がくもっていた。

「兄貴は優しいんだよ。」

「うん、そうだね…」

でも、真凛の顔は明らかに

そうは思ってない様な顔をしていた。

やっぱり兄貴の事好きなのかもしれない…。