僕は、君が好きです。

「…っっ!!えっ…泰詩っ!」

真凛があわてて俺の胸を

両手で押さえつける。

「…きゅっ…急にどうしたのっ!?」

俺の顔を見上げる真凛…。

その恥ずかしそうに

頬を赤くしているのを見ていると

また自分を見失いそうになる。

抱きしめて…ずっと離したくない。

ずっとずっと…抱きしめていたい。

ギュッ……

「……え、泰詩っ??」

真凛がまた耳まで真っ赤になっていた。

ヤバイ…俺、余裕なさすぎだ…。

グイッ…

真凛が俺から離れようと手で胸を押す。

そして俺から距離をとるように

真凛が少し離れて歩く。

そんな些細な行動一つで俺の胸は

ズキッ…と痛みだして

気持ちが落ち着かなくなる。

でも、そんな動揺する気持ちを

知られたくなくて

平気なフリでそのまま真凛の横を

歩き続ける。

けどもうこれ以上…

平気なフリできないかも…。

俺は、思わずガキみたいな事を

真凛に言ってしまった。

「…何で?何で離れて歩くの?」

「何でって…だって…

泰詩、さっきから…いつもと違うし…

すぐ抱きしめようとするし…

何か…ちょっと恥ずかしいし…

それに…誰かに見られるよ?」

「いいよ…誰がきても…見られたって…

真凛だっていつも

俺に抱きついてきたじゃん。」

「えっ…抱きついてないよっ…?

私は腕を掴んでただけだよ…。」

「………だけ??」

真凛にとってはそれだけでも…

俺にとってはずっと…。

「うん……抱きついてはないもん。」

「あ、そっ…

なら…俺は、抱きしめる。」

そう言って俺はまた真凛の手を

掴んでそのまま抱き寄せた。

「…えっっ…泰詩…っ!」

真凛は、少し抵抗したけど

俺はかまわず真凛を抱きしめた。

真凛の華奢な体を抱きしめながら

真凛の耳元で言う。

「…好き…好きだ…好きだよ…

真凛が好きだ…。」

やっと、君に届いたんだ…。

ちゃんと言えた…。

君が好きだって…ちゃんと言えた。

「…泰詩」

真凛の頬が赤くなっていくのがわかった。

真凛の腰をグッと引き寄せる。

フワッ…と髪から甘い香りがする。

その髪に顔を埋めてサラサラの髪を

軽く撫でながらそっと

真凛の顔を覗き込むと

今にも火を吹き出しそうな

くらいに赤くなっていた。

そんな真凛がいとおしくて

もう一度強く抱きしめた。

繰り返し…何度も抱きしめた。

今、君が僕の腕の中にいる事が

現実なんだと確かめたくて。

遠くで学校のチャイムが鳴っている。

「学校…行かなくちゃな…。」

俺が真凛を抱きしめながら

そう呟くと…

「…うん。」

そう言って君は腕の中で小さく頷いた。